これが幸せというやつなのだろう 2022/05/02
仕事から帰ると来客がたくさん来ていた。
つぅさん仙水さん修一さん
修一さんはムカデの駆除をしに来てくれたらしい。
まずはムカデの駆除をするためには床が汚すぎるということで部屋を片付けた。
ムカデの情報を色々聞いた。ムカデは湿気が大好きで母子家庭らしい。
ちなみに私も母子家庭である。母は女手一つで私を育ててくれた。ムカデも女手一つで子供を育てているのだろう。足は百本あるけど。
ありがとうございます 投げ銭は頂かない主義です。
まぁそんなこんなで部屋を綺麗にしてムカデの毒餌を何個か置いた。
その後は二階でみんなでタコ焼きパーティーをした。
つぅさんがタコ焼きを焼いてくれたのだけれど、火力が弱いのか中々上手く丸まらなかった。
なんとかひっくり返そうとしてもグチャグチャになってしまう。
少しそのまま放置して、それからひっくり返すと上手く丸くなった。
時間が解決するのだ。タコ焼きも人間関係も…
早く解決しようとしていじくったって余計にグチャグチャになるだけなのだ…時間を置いてからなら丸く収まる そう…まるでこのタコ焼きのように…
そんなことを考えながら出来上がったたこ焼きを頬張る。
中からアツアツの液体が溢れ出てくる。
この時間が永遠に続けばいいと思った。溢れ出てくるの液体にはダシや小麦粉の他に、多くの幸せが混ざっているのだ。
つまり2つの意味でタコ(多幸)焼きである。
それをその場で言おうかと思ったがクサすぎるかなと思ってやめた。幸せなんて、ワザワザ口に出すものじゃない。僕は一人ニヒルに笑った。
風を浴びたくなった。立ち上がり窓を開けてベランダに出た。
外はもう真っ暗である。夜空には満月だけがピカピカと浮かんでいる。
「まるでタコ焼きだな‥」僕はそう呟くと、手に持っていた爪楊枝を月に刺した。そしてそのまま口に持っていく。
当然なんの味もしない。なんの味もしないはずなのに、温かいぬくもりが口いっぱいに広がった。
これが幸せというやつなのだろう。
ではまた明日