初めてのデリヘル 2022/05/05
昨日の夜岡田さんとラブホに行った。そこでデリヘルを呼ぶことになった。
本当は嫌だった。初めては好きな人と…みたいな事を思っていたわけじゃないけど、とにかくそういう気分じゃなかった。
でも配信は盛り上がると思って自分で言い出した手前今更止めるとは言えなかった。
サイトを見ても決められなかった。別に誰でも良かった。通り魔か俺は。
ラブホで一人きりになってから、デリヘルに電話をかけた。
電話口の人に「いい子いますか?」と言ったら「それはあなたの好みがわからないのでなんとも言えないですね…」と言われた。そのとおりである。
それでも一人オススメの子を紹介してもらって電話を切った。
配信をつけた。せめて配信のネタにして盛り上げようと思った。
配信をつけたまま歯を磨いてヒゲをそった。配信画面に映る自分の顔のブサイクさに余計に気持ちが落ち込んだ。
顔にシェービングクリームを塗ってヒゲをそっている途中に呼び出しのベルが鳴った。
慌てて蛇口をひねって水を出したら水圧が強すぎて水周りが水浸しになった。
シェービングクリームがついた顔をバスタオルでなんとか拭いて配信を切ってから、玄関を開けようとした。が開かない。
どうやらフロントに電話して開けて貰わなけば行けないらしい。知らなかった。
ドアノブをガチャガチャやっていると外から「フロントに電話して開けて貰ってください」と声をかけられた。
フロントに電話して開けてもらった。
デリヘル嬢の人はとても綺麗だった。コスプレイヤーのえなこに少し似ているなと思った。
正直少しだけテンションが上がった。
そこから会話をした。俺はとにかくセックスが、したくなかったから、60分間会話を盛り上げてやろうと意気込んだ。
えなこはいま大学生で出稼ぎでいわきに来ているらしい。年は私の一個下。将来の事を考えて大学の勉強+資格の勉強をしていてあまりバイトの時間が取れないから少しの時間で稼げるデリヘルをやっているらしい。
こう言うデリヘル嬢の身の上話は嘘だとよく言われているが、私は彼女は本当の事を話している気がした。勿論なんの根拠もない。
もし仮に彼女が言っていることが全て嘘なら、私は2ちゃんねるをやる資格は無いだろう。
彼女に何個も質問したり、彼女のエピソードと似た自分のエピソードを話したり頑張った。
「こういう店はなれてない」というと「リアルでは経験あるんですか?」と聞かれた。
無い。一切無い。だが無いというのが恥ずかしくて「一回だけある」と嘘をついた。
その後「大学生のとき一回彼女が出来てそういうことする流れになったんたけど、緊張で上手くいかなくてそれっきり」という大嘘をベラベラ喋った。
だがそんな口からでまかせも10分ほどで尽きる。
静寂が訪れた。
そこでえなこから「風呂行きますか?」と言われた。
「あっそういえばえなこさんが来る前ちょうどヒゲそったりしていて洗面台汚いんで、ちょっと掃除してきますね」そう言ってバスルームに入って扉を閉める。
掃除は30秒で終わった。別に水吹くだけである。2分ほど時間を潰したが、これ以上は不自然なので部屋に戻る。
「掃除終わりました」。私がそう言うとえなこは洗面台に来てイソジンを作り出した。
イソジンを見て「そういえば大阪の吉村知事がイソジンで炎上してましたよね」とまた会話で引き伸ばそうとしたのだが「あぁ…はい」と冷たくあしらわれてしまった。
初めてイソジンでうがいをした。意外と味がしないのだなと思った。
そこでえなこは服を脱ぎ始めた。えなこが裸になっても私は服を着ていた。
私はどうしても裸になりたくなかった。裸になったら断りきれずに最後まで行ってしまう気がした。
「すいません 友達とノリで頼んでしまったので、あんまり気分が乗らないのでもう大丈夫です」そう言って断った。えなこは一瞬驚いた顔をしたが、すぐ「わかりました」と言ってバスルームを出た。
その後えなこは裸のままソファーでタバコを吸っていた。
何度も謝ると、「お金はもう頂いてるので、別にお客さんの好きなようにして頂いて大丈夫ですよ 飯を食うだけとか、お話するだけとかも全然あるので」と言っていた。
えなこの優しさに感動した。目のやり場に困るからと言って服を着てもらった。えなこは10分ほどして部屋を出ていった。
えなこが出ていった後、俺は自分の情けなさに打ちひしがれていた。
何をしているんだ俺は。結局誰も得していない。えなこも俺も。一時期ライフイズヒップホップライフイズヒップホップとよく呟いていたが、デリヘル嬢呼んで病んでセックスせずに帰ってもらう人生のどこがヒップホップなんだ。
ラブホテルを出た。少し歩きたかった。
俺は多分一生幸せにもなれなければ、人を幸せにも出来ないだろう。
周りには田んぼからはカエルのゲロゲロという鳴き声が響いている。
一生童貞だろうな俺は。まぁ仕方ないか。この四方八方から聞こえるカエルですら多分セックスするのに、俺は一生オタマジャクシのままである。
ではまた明日