告白 7月27日(水)

仕事が出来る男なので結論から喋ります。 同僚に告白して振られました。

私はしがないコンビニバイト店員です。この度正社員の試験に合格し、長く働いたコンビニをやめる事になりました。

コンビニ自体には特に思い入れもなかったのですが、一つ気がかりだったのは一緒に働く女子大生の事です。

私は彼女が好きでした。どうせ辞めるなら最後に自分の気持ちを告白してからやめようと思いました。

彼女とシフトが被る最終日の前日、私は最近はいりたてのjKとの仕事でした。

私は基本的に一緒に仕事をする相手が若い女性である場合は、仕事の内容以外で声をかける事はありません。ですが明日告白する男がJKごときにビビる訳にはいかない!!そんな思いもあり積極的にJKに話しかけました。

そして勤務時間を終えた後、私はJKにアイスカフェラテを奢ったのです。

皆さんからすればJKにアイスカフェラテを奢るくらいなんて事無いかもしれませんが、私には青天の霹靂、ベルリンの壁崩壊、人類月面初上陸に匹敵する大事件だったのです。

「これ飲みな」そう言ってアイスカフェラテを渡す私の手は、勝利への道筋が見えた羽生善治永世7冠に匹敵するほど震えていました。これならいける。私は思いました。

そして家へ帰り布団に入りました。ですが中々寝つけません。

目をつぶれは瞼の裏に浮かぶのは告白の事ばかり。私はまるで明日に遠足を控えた幼稚園児のような高揚感と、試験の結果を待つ受験生のような緊張感の狭間で揺られながら眠りに落ちました

そして次の日 いよいよ待ちに待ったXdayを迎えたのです。

その日は朝からソワソワしていました。心も身体も落ち着かず、こみあげる力を発散するためにジムで汗を流しました。

ジムでランニングマシンをしながら、私は告白の言葉について考えました。

近々花火大会がある。それに彼女を誘おう。そう決めました。

いつもは早く感じるランニングマシンのスピードが、その日は何故か遅く感じました。

ボタンを押す。スピードはどんどん上がってく。身体と心がどんどん熱くなっていくのを感じました。 きっとその時の私ならフライヤーを使わずにからあげくんを揚げる事も出来たに違いありません。

そしていよいよ出勤の時刻になりました。

私が職場につくと、彼女はそこにいました。

そこから他愛の無い会話をしました。私が最近した怪我の話、仕事の話、面倒臭い客の話。そして私は途中の休憩時間に彼女にアイスカフェラテを奢りました。

そして退勤する時間になりました。私は意を決して話しかけました。

「今日でシフト最後ですね 今までありがとうございました。もしよかったら今度ある花火大会 一緒に行きませんか?」

彼女は答えました「大丈夫です」

パサパサパサ…ポタ… 侘しく光っていた線香花火が落ちる…そんな音がしました。

その後も二分ほど会話をしましたが、何を話したのかは詳しく覚えていません。

帰りの車の中で私は配信をつけました。

色々なコメントが来ました。叩くコメント、慰めるコメント、こうすればよかったんじゃないかというコメント 

ですがその時の私はある意味ハイになっていたので、あまり何を言われても聞く耳を持てませんでした。

私がしたことは間違いだったのでしょうか?

彼女に告白する前にネットで告白の仕方を色々調べました。

「好きな気持ちは隠さず、自分が相手に気があることをアピールしよう」そんな事が書いてありました。

そんな事が果たして出来るでしょうか?

私が好きな気持ちをアピール出来るはずがありません。

私にとって好きな気持ちというのは決してバレてはいけない地下室の秘密の部屋なのです。なるべく隠して、バレないように、信仰を隠して生きていた隠れキリシタンのように生きてきました。これからもきっとそうでしょう。

「振られても『じゃあまだ好きでいてもいいですか?』と言いましょう」

そんな事も書いてありました。私がそんな事を言った日には彼女は二度と安心して夜道を歩けなくなってしまうのではないか?ちょっとした物音に過剰に反応するようになってしまうのではないか?

私は彼女には夜道でも恐怖を感じること無く歩いてほしいのです。

まああまりネガティブになりすぎても良くないので最後に一言でまとめようと思います

俺の事誰が好きなん!!! ええ事無いねやろぉ 日常で!!親大事にせぇよ!!お前の事愛してくれるの親だけやぞ!!! お察しします!!

以上です ではまたいつか