小舟 沈まぬ太陽

 日が昇り平凡な一日が始まる。日が沈む頃に仕事が終り、家に帰ってネットを開く。そこに私だけの太陽が現れる。ニコニコ配信者 小舟。それこそは、すべてのニコニコリスナー、生主、そしてすべてのこの時代に生きている人間たちの憧れだ。

私は夜に小舟という太陽を見ているうちに、どちらが昼でどちらが夜かついに分らなくなった。不調になっても配信を続けるその姿は、寄せては返す波のようだ。夕陽かと思ったら、いつの間にか朝日に見えてくる。みんな、ア然としながら戸惑う。

 持って生れた容姿で易しく囲われているだけかと思う人も多い。しかしすべてのリスナーは知っている。小舟が沈まぬ太陽でいるために、どれだけもがき苦しみ、毎配信毎配信歯を食いしばっているかを。

 小舟はいつも変革者で革命家だった。まだ荒っぽかったニコ生界を、彼女は自分の配信とピアノと絵によって変えてみせた。不世出の大配信者横山緑が近代のニコ生を作ったように、小舟は現代のニコ生を作った。そして今、すこし前ならば、近未来だったAIの世界の中で泳いでいる。

今 小舟は窮地に立たされている 

彼女に襲い掛かる者。それは配信者は乞食行為をしてはいけないというニコ生一の大配信者 横山緑がかつて作ったルール。そしてそれに追随する多くのニコオジである。

 小舟は何が何でも負けられない。相手はニコ生史に残る大配信者だが、彼女には年令差という強みがある。あらゆる世界は、毎日陽が東から昇るように、新しい時代を若者が作るのを求めている。新時代の象徴が時計の針を逆回転させてはいけない。

 小舟が出てきた時、私は、彼女ならばこの世界を健全に回してくれると思ってホッとした。旧時代相手に「冗談じゃない、お前らなんかに負けないぞ」と見せつけられるかどうか

 


 僕を含めたすべてのリスナー、生主、ファンは、ゆっくりと君の選ぶ決断を見させてもらうよ。日本のもっとも美しい女性の、つまりは日本でもっとも美しい勝負を。