学生時代の初恋 エリちゃん 2022/04/25

昨日の夜ツイッターを見ていると一つのツイートが回ってきた。ここに貼っておく

(見れない人は引用リツイートから)


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このツイートを見て学生時代のどあるエピソードを思い出した。

あれは私が中学1年生のときのはなしである。

その日朝は雲一つ無い快晴であったと記憶している。

いつものように学校に行った。何だったか忘れたが放課後クラスの委員会かなにかの話し合いでエリちゃんという女の子とふたりきりで話をするという日々が続いていた。

その日も二人で机をくっつけて話をした。

エリちゃんはおっとりとした天然女子で、皆から「エイリーン」という愛称で親しまれていた。だがクラスで私だけは恥ずかしくていつもエリちゃんと呼んでいた。

エリちゃんはとても良い子で、私のような陰キャも差別せず笑顔で会話してくれる子だった。私はエリちゃんが好きだった。

そんなエリちゃんとの二人きりでのお話は、私にとって人生最大の幸福だった。その日も至福の時間を楽しんだ。その日は話し合いの途中に、私も彼女をエイリーン呼んでみたくなった。

でも別にそこまで意を決したつもりもなかった。

だってクラスで俺と同じくらい陰キャの奴らも普通にエイリーンと呼んでいたから。

「ねぇエイリーン これって○○だっけ?」私がそう尋ねる。するとエリちゃんは、大きな石をどけて石の下に潜んでいた大量の虫を見たときのような顔を私に向けた。

「あれ?なんでエイリーンはこんな大きな石をどけて石の下に潜んでいた大量の虫を見たときのような顔をするんだろう」と私は思った。

エリちゃんはその顔のまま私にこう話しかけた。

「なんで森くんが私の事エイリーンって呼んでるの?」

晴れていたはずの空に灰色の雲が現れ、真っ赤な太陽を隠した。雲から大量の雫が降り注ぐ。

「ねぇなんで?なんでエイリーンって呼ぶの?」

「あっごめん なんか皆呼んでたからいいかなって…」

「あっそう 別にいいけどさ」

その後どうなったかは覚えていない。

その日の夜自分の部屋の布団の上で、私は自分の行動を悔いた。

エイリーンはクラスの仲間だけが呼んでいいあだ名なのだ。私はエイリーンと呼べるほどの階級にいない。

わかっていたはずなのに。自分の身分なんで自分が一番わかっていたはずなのに。

でも優しかったから…エイリーンがこんな俺にも優しかったから。でも彼女は悪くない。私が悪いのだ。身分を理解しなかった私が…

涙が頬をつたう。こんな事で泣きたくないのに‥どれだけ止まれと願っても涙は止まることを知らない。

そのまま布団に身を落とした。湿った布とカビの臭いが鼻孔をかすめる。

私は目をつぶりながら小声で歌を歌った。

「笑ってもっとbaby 無邪気にon my mind 映ってもっとbaby 素敵にin your sight 誘い涙の日が落ちる

エリー my love エリー」

以上が私の初恋 いとしのエリーでした。