青春のコンドーム 2022/02/01

学生時代に始めてコンドームを買った話をします

私は学生時代は山形の鶴岡という所で一人暮らしをしていました。

私は学生時代は友達が一人も居ませんでした。そんなある日隣の席の二人が、鶴岡の駅前の薬局にはコンドームの自販機があるという会話をしているのが聞こえてきました。

それを聞いて私は思いました。コンドーム自販機でコンドームを買えばこの陰鬱とした日常が変わるかもしれない。今になって思うと、何故コンドーム自販機でコンドームを買うと陰鬱とした日常が変わると思ったのか、私にもわかりません。

思えば中学生のときに、何かを変えようとして山でオナニーをしたりと、私は何かを変えたいときは性的な奇行に走る気があるのかもしれません。

もし仮に私が全裸で外に出て公然わいせつで捕まったというニュースが皆様の耳に入ったときは、

「あぁ…森くん 何かを変えようとしたんだな」と思って頂ければ幸いです。

もし私の事をより思って頂けるのであれば、法定の証言台に立ち、「森くんに悪意はありません 彼は何かを変えようとするとこういう事をしちゃう子なんです」と弁護した頂ければ、これも幸いです。

学校の授業が終わると同時に私は走り出しました。目的地はモチロン例の自販機です。

私は走りました。その姿は走れメロスのメロスのようでした。もし仮にその時の私の走る姿をかの邪智暴虐の王が見たら、改心して涙を流していた事でしょう。

一体どれほど走ったことでしょう。息も絶え絶えながら目的地に到達しました。

そこに自販機はありました。自販機には4つの種類のコンドームが並んでいて、一番右が一番小さいサイズ、一番左が一番大きいサイズでした。

値段は一律で540円。私は一番大きなサイズのコンドームを買いました。理由は特にありません。今思うと自分自身に見栄を張っていたのかも知れません。

コンドームをポケットに入れると、私は歩いて家まで帰りました。

家までの帰路の間、興奮していた頭が冷えてきてからは、後悔の念が私を襲いました。何をしているんだ私は。

こんな物を買っても日常は変わらない。そう思うとポケットの中のコンドームがとても気持ち悪い物のような気がしてきました。

ちょうど橋の上を歩いていた時、私はポケットの中のコンドームを思いきり下の川に投げました。

コンドームはボチャンという音を立てて川の中に吸い込まれました。

そして私は走って家に帰りました。

もしタイムマシンが出来たならば、その当時悩んでいた私がコンドームを持って振りかぶった瞬間に飛んでいきたい。

振りかぶった手をグッと抑えて「大丈夫」とギュッと抱きしめて包んであげたい。

まるでコンドームのように。

ではまた明日