加瀬ちゃんのお尻を見てしまった話 2022/04/21

昨日の夜台所に立ちすくんでいた。目の前には大量の洗い物。先日くわさんやシェアハウスメンバーとみんなでしたパーティーの残骸である。

パーティーの残骸はシンクをいっぱいにしている。シンクに入り切らず隣の流し台にも大量に皿が置かれている。中々洗い物を始める気にはならない。

これを洗うのは嫌じゃない。ただパーティーの残骸を全て片付けてしまうと、本当の意味でパーティーが終わってしまうような気がした。

その場に立ちすくんでいると2階から2つの足音が降りてきた。加瀬ちゃんと岡田さんである。

二人は一階の玄関の所で足を止めた。

玄関と台所はカーテンで仕切られており、そのカーテンの隙間から二人の姿が見えた。どうやらこちらには気づいて居ないようだった。

二人はとても盛り上がっていた。いつもなら声をかけるところなのだが、あまりの盛り上がりに声をかけるのを躊躇ってしまった。二人は玄関で何やらペチャクチャと話をしている。

すると次の瞬間、加瀬ちゃんがおもむろにスボンを下げて下半身を露出した。こちらからは加瀬ちゃんの尻が見える。玄関でおもむろに尻を出す不自然さと同時に、どこか神々しさを感じた。

カーテンの隙間から見える尻の割れ目が、私の目には海が半分に割れたときのモーセ十戒のように映った。

加瀬ちゃんが岡田さんに何かを呟くと、岡田さんは露出された尻に向かって平手打ちをしだした。

岡田さんが腕をしならせ振り下ろす度に、ペチンペチンと乾いた音が部屋にこだました。

信じられるだろうか?今まで私が見、聞、考えてきたあらゆる物事の遥か外側にある行為が目の前で行われているのだ。

決して見てはいけない夫婦の秘密を見ているのだ。目を背けなければならない事は頭では分かっていた。だが頭とは裏腹に目は1ミクロンを動かずじっとその光景を見つめている。

一瞬の様な、それていて永遠の様な時が流れた。

おもむろに加瀬ちゃんがこちらに目を向けた。

カーテンの隙間で私と加瀬ちゃんの目がバッチリと合った。

その瞬間私はかけだした。加瀬ちゃんは私に向かって何かを話しかけていたが、私の耳には何も入ってこなかった。

自転車に飛び乗り思い切りペダルを漕いだ。ただ当ても無くガムシャラに。

自転車を漕いでいる間、何度も先程の光景が頭に浮かんできた。それが浮かぶたびに、振り払うようにペダルを漕ぐ勢いを早めた。

体力が尽きて自転車を降りる。目線を上げると目の前は海だった。

その場に座り込んで海を眺めた。

私が今までしてきた事は全て間違いだったのかもしれない。生きる意味や自分なりに考え出した決論も全て無意味だったのではないか。そう思わせるだけの何かがそこにはあった。海は何も言わずただその場にあった。

少し考える時間がほしい。ブログも休止しようと思う。いつ戻ってこれるかわからない。もしかしたら二度と皆様と会うことも無いかもしれない。ただこのままでは狂ってしまう。そんな気がするのだ。

 

私は本当に馬鹿な男かもわかりません。ただもし仮に、もう一度皆様の前に姿を表す事が出来ましたら「ごくろうさん」それだけ言ってやってください。

今までブログを見てくださった皆様 本当にありがとうございました。

ではまた明日